相続人調査と相続財産の調査
相続に当たって、まず一番初めにおこなうことは相続人の把握と、相続財産の調査になります。
しかし、具体的に相続人の範囲とはどんなものなのでしょう。
また、相続財産にはどのようなものが含まれて、どういったものが除外されるのでしょうか。
ここでは、相続人や相続財産の把握や調査方法について確認していきたいと思います。
【相続人とは?】
根本的なお話になってしまいますが、相続人とは『遺産を相続できる権利を持つ人』のことをいいます。
似たような言葉に法定相続人という言葉があるかと思いますが、相続人と何が違うのでしょうか。
法定相続人とは、民法で決められた相続人になることのできる資格を持つ人のことを指します。
主に被相続人との血縁関係で順位が決まっており、第1順位が子ども(子供が既に死亡していて、孫がいる場合には孫)、第2順位が親(両親が死亡しており、祖父母が存命の時は、祖父母)、第3順位が兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなってる際には、甥や姪)なります。
なお、被相続人に配偶者がいた場合、配偶者が相続放棄などの手続きをおこなわない限り、必ず相続人になれる立場です。
【相続人の調査とは?】
相続人の調査とは、被相続人に相続人が誰なのか、を確認するための作業となります。
具体的に言うと、被相続人の出生から、死亡するまでの連続した戸籍謄本を取り寄せて確認作業をおこないます。
通常子供がいる場合は、家族が把握しているケースが多いですが、隠し子がおり、更に認知をしていることもある考えられるので、調査をおこなった方が良いと言えるでしょう。
【相続財産】
相続財産とは、プラス、マイナス含めて被相続人が残した財産のことを指します。
現金や預貯金は勿論のこと、土地や建物などの不動産、株式や国債といった有価証券、宝石類や金、骨とう品、車などの動産と相続の対象になる財産はさまざまです。
似たような言葉に相続税対象の財産というものがありますが、こちらと相続財産は異なるケースもあります。
相続税対象の遺産には、一部の生命保険金や退職金、仏具などの祭祀に利用する道具などは非課税になるからです。
そのため、相続財産と相続税の対象の財産は決して同じであるとは限らないということを覚えておきましょう。
【相続財産の調査とは?】
相続財産の調査とは、具体的にどのような作業をおこなうのでしょうか。
まず、被相続人の居宅などを調査から始まることとなります。
通帳や、見覚えのない固定資産税評価証明書などが合ったら、銀行や、市役所などに問い合わせをして、確認をしておきましょう。
また、相続財産の中には借金などの債務や保証人の立場も含まれます。
被相続人に借金があるかどうかは、日本信用情報機関(JICC)、指定信用情報機関(CIC)などに問い合わせると、債務状況の開示をしてくれます。
保証人については、まず被相続人の遺品に、借金の契約書があるかどうかを確認しましょう。
見つからない場合は、借金と同じく信用情報機関に照会をおこなう流れになります。
ただし、気を付けていただきたいのは保証人になったという情報が、載せられないこともあります。
そのため、借金の有無より、保証人であるかどうかの方が調べにくい可能性があるのです。
以上が、相続人と相続財産の調査となりました。
相続人の調査は、被相続人の方に隠し子などがいる可能性がなければ、そこまで難しくないかもしれません。
しかし家族が関知していない認知した子供がいる場合は、状況が難解になる可能性があります。
また、相続財産に関しても、事前に被相続人の方が財産整理をしていると、そんなに難しくないことがあります。
ただし、被相続人自身が忘れている預貯金や不動産を所有しているケースも存在します。
相続財産が、相続税の課税対象財産であった場合で、申告後に見つかった際には、加算税を支払う必要が出てくることもありますので、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
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