交通事故によって重度傷害を抱えてしまったら
自動車は免許を取得すれば運転が可能です。
自動車によって、たくさんの物資を一度に運べるようになったり、不便な場所に住む人が、簡単に移動できるようになりました。
便利である一方で、自動車のことを「走る凶器」と表現することがあります。
1日に換算してみると、およそ8.8人の方が亡くなっているという状況です。また、死亡に至らぬまでも重度の障害を負い、生活するのに苦労されている方たちはそれ以上に大勢いらっしゃいます。
ここでは交通事故によって重度の障害を抱えてしまった場合についてお話ししたいと思います。
【重度の障害の区分とは?】
そもそも、交通事故による重度の障害とはどこからどこまでのことを指すのでしょうか。
交通事故には後遺症の程度を示す、後遺障害等級というものがあります。こちらから考えると、等級1から7までが重度障害であるとされています。
後遺障害の7の等級は、その中でも症状別に1から13まで分けられ、例えば、7等級の1から5までは以下のように説明されています。
1号 1眼が失明し、他眼が0.6以下になった。
2号 両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することが出来ない程度になった。
3号 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが出来ない程度になった。
4号 神経系統の機能または精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することが出来ない。
5号 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することが出来ない。
7等級の1号から5号を確認しただけでも、以前のような生活を送れる可能性が低いことが解るかと思います。
また、仕事や家事などをしていた方は、障害を負った場合に労働能力が失われてしまうことがあると思います。後遺障害の等級1から3ですと、労働力損失率は100パーセント、重度障害の一番低い等級である7では56パーセントとなっています。
交通事故により重度の障害を負ったことで、今まで何とも思わなかった行動が、大幅に制限される可能性があるのです。
自身の今後の生活や、家庭を持っていた場合には家族のことも心配になるでしょう。
では、何か手立てはあるのでしょうか。
まず、後遺障害等級認定の申請をしていない方は、通院している病院の医者に、後遺障害診断書を発行してもらうなど申請書類を集めて、手続きをすることが大切です。
後遺障害等級が認定されると、自賠責保険会社から等級にあった損害賠償金を手に入れることが可能になります。
また、重度の障害の場合は自賠責・任意保険以外からも国から給付金を貰うことが出来ます。
障害基礎年金や厚生年金、労災年金などが当てはまります。
こちらの手続きは、障害を負った方自身や、家族でも申請が可能です。
しかしながら、書類に不備があったりすると、申請が通らないこともあります。
重度障害を負ってしまった方やそのご家族の方で何を申請すればいいのか分からないといった時や、困ったり悩んでしまったりした際には、一度専門家に相談していてはいかがでしょうか。
相談することによって、新たな対応方法が見つかるケースもあります。
ムネカワ法律事務所は、京都府下京区を中心に、京都市・大津市・長岡京市など京都府・滋賀県で広く活動しております。
交通事故に関するお悩みは、ムネカワ法律事務所までお気軽にご相談ください。