高次脳機能障害とは
交通事故で負傷した場合、被害者から加害者へ慰謝料を請求することができます。そして慰謝料の対象は事故直後の怪我だけでなく、後遺症が残った場合にも「後遺障害慰謝料」として請求することが可能です。
しかし、いかなる後遺症にも当該請求が認められるわけではなく、後遺障害慰謝料を請求するためには、まず後遺症の後遺障害等級を得なくてはなりません。
後遺障害等級は14段階あり、その等級が高くなるにつれ、慰謝料額の相場も増加します。
交通事故による後遺症の一つとしては、「高次脳機能障害」が挙げられます。高次脳機能障害とは、交通事故によって生じた脳外傷などにより、認知機能(高次脳機能)に障害が起きることを指し、遂行機能障害、注意障害、記憶障害といった認知障害のほか、行動・感情の障害、言語障害、失語症、失認、失行、半側空間無視、地誌的障害、病識欠落、人格の変化などの症状が発症します。
こういった症状により社会生活が困難となる場合も多い中で、高次脳機能障害は隠れた傷害・見えない障害と呼ばれ、外部からは一見して確認することはできません。事故後の入院時には判明せず、実生活に復帰してから症状に気が付くといったケースもあり得ます。また、その症状が本当に事故によるものであるのかの判別も非常に難しく、一度の検査で明確に判断できるとは限りません。
そのため、後遺症として高次脳機能障害が残ってしまった場合であっても、適切な準備を進めてなければ後遺障害として認定されず、後遺障害慰謝料を請求できないおそれがあります。
高次脳機能障害について後遺障害等級の認定を受けるにあたっては、そもそも高次脳機能障害は脳の損傷に起因して起こる障害であるため、MRI検査などにより脳の検査を行うことが重要となります。そして、医師による診断書を受け取りましょう。なお、高次脳機能障害の判断においては、事故後6時間以上の意識障害が発生したことも重大な要素となるため、そのことについても併せて資料を提出すべきです。
その他、後遺障害等級認定の審査では、家族による意見書も重視されます。従来の様子と障害を負った現在の様子の相違につき主張することで、症状は単純な性格の変化などによるものではなく、高次脳機能障害に起因するものであるとの判断の一要素となり得ます。
高次脳機能障害は医師だけでなく、ご本人やご家族でも見過ごすこともある後遺症です。
早期段階で弁護士にご相談いただくことで、適切な検査を受け、準備を行い、後遺障害等級の認定を受けることができるようサポートさせていただきます。
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