相続開始から申告までの流れ
被相続人(亡くなった人)の遺産相続の手続きの期間は、相続開始(被相続人の死亡した次の日)から相続税の申告をおこなうまで、原則として10か月以内と決まっています。
今回は、相続の手続きには具体的にどのようなものがあるのかを、期日順に確認していきましょう。
【相続開始から3か月以内におこなう手続き】
■相続放棄
相続放棄とは、自身が相続人で、被相続人の残した財産を、引き継ぎたくない時に利用する手続きとなります。
具体的にどのような場合が想定されるかというと、遺産がマイナスであった場合や、被相続人の遺産トラブルに、巻き込まれたくない時などです。
手続きとしては相続放棄の申述書を所定の家庭裁判所に提出し、承認を得るという流れになります。
ただし、相続放棄を受けるにおいて注意していただきたい点があります。
それは、被相続人の遺産を使わないということです。被相続人の残した財産を使用すると、単純承認(相続をすること)とみなされ、相続放棄が出来ない可能性があります。そのため、相続放棄をお考えの方は、遺産に手を付けないようにしましょう。
■限定承認の手続き
限定承認とは、被相続人の残した財産がプラスであるのか、マイナスであるのか、判断がつきづらいときに利用する手続きのことを指します。
具体的な手続きとしては、相続放棄と同じように、所定の家庭裁判所に申し立てをおこなうことが必要となります。
ただし、相続放棄は相続人単独でおこなえるのにたいして、限定承認の手続きは、相続人全員で共同しておこなう必要がありますので気を付けましょう。
【相続開始から4か月以内におこなう手続き】
■準確定申告
被相続人が自営業を営んでおり、収入があった場合や年金以外の雑所得が20万円以上を超えている場合などは、準確定申告をおこなう必要があります。
申告する期間は被相続人が亡くなった年の1月1日から、死亡日までとなります。こちらの手続きを忘れていると、罰則として追加で税金を課せられることがありますので注意しましょう。
なお、準確定申告をおこなう人は、相続放棄をおこなった以外の法定相続人と、遺言書で指定された包括受遺者の方が対象となります。
包括受遺者とは、被相続人の相続財産を遺言書によって指定された割合で授受する人のことです。
【相続開始から10か月以内】
■相続税の申告と納税
相続開始から10か月以内に相続税の支払いが必要な際には、申告及び、納税をする必要があります。
遺産の分割が決まっていない時でも、仮申告を税務署に提出します。
また、配偶者控除や小規模宅地の特例を利用した方は、実質相続税の支払いが発生しなくとも、申告をする必要があります。
この、相続税の申告が無申告だったり、虚偽であったりすると重い追徴課税が科せられる可能性があります。
そのため、相続税の申告は必ず忘れないようにしましょう。
以上が、相続開始から10か月以内におこなう主な手続きとなります。
ムネカワ法律事務所では、京都市・大津市・長岡京市を中心に京都府や滋賀県に、
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